今年のFA取得選手についてランク別にまとめていきます。今回はBランクの選手についてです。
Bランクに分類されるのは、旧所属球団での年俸順位が4〜10位の選手です。Bランク選手を獲得する球団は、旧球団に対して「金銭補償+人的補償(プロテクト28人枠外の選手1名)」または「金銭補償のみ」を支払う義務が生じます。
Aランク(1位〜3位)ほどの高額な金銭負担はないものの、人的補償による選手流出のリスクを伴うため、獲得にあたっては戦略的な判断が求められます。しかし、Bランク枠には通常「即戦力としてチームの弱点をピンポイントで埋める主力選手」が多く含まれており、移籍市場において最も交渉が活性化しやすいランク帯になりえます。
本稿では、2026年シーズンに国内FA権を新規取得したBランク選手である広島の坂倉将吾捕手、楽天の小深田大翔内野手、ロッテの小島和哉投手、オリックスの田嶋大樹投手、中日の藤嶋健人投手の5名を取り上げ、近年の成績分析とFA宣言時の市場需要を徹底分析します。
1. 坂倉 将吾(広島東洋カープ)
【成績・キャリア分析】
日大三高から2016年ドラフト4位で入団した坂倉将吾選手は、右投左打の捕手・内野手です。
- 2024年成績: 121試合 打率.279 12本塁打 44打点 OPS.740
- 2025年成績: 104試合 打率.238 5本塁打 37打点 OPS.689
- 2026年成績(9月20日時点): 127試合 打率.246 13本塁打 66打点
- 通算成績: 891試合 打率.273 74本塁打 363打点 出塁率.344
坂倉は5年連続で100試合以上に出場しており、近年の広島の野手の中では最も柱として活躍していますです。通算打率.273、74本塁打を記録している通り、捕手として起用可能でありながらクリーンアップを任せられる優れた打撃技術とパンチ力が最大の武器です。
【FA宣言時の需要予測】
28歳という若さで「打てる捕手」のFA市場解禁は、球界全体において極めてインパクトが大きいと言えます。現代プロ野球において長打力を期待できる捕手は極めて希少価値が高く、Bランクに伴う人的補償のリスクを考慮しても、攻撃型捕手の補強や打線の軸を求めるセ・パ両リーグの複数球団による激しい争奪戦が予想されます。ただ今年は一塁手または三塁手での起用の方が多く、捕手として起用されないとなるとやや成績に物足りなさを感じます。
2. 小深田 大翔(東北楽天ゴールデンイーグルス)
【成績・キャリア分析】
近畿大・大阪ガスを経て2019年ドラフト1位で入団した小深田大翔選手は、168cm・69kgと小柄な右投左打の内野手です。
- 2024年成績: 134試合 打率.229 3本塁打 23打点 29盗塁 出塁率.296
- 2025年成績: 124試合 打率.217 1本塁打 14打点 28盗塁 出塁率.311
- 2026年成績(9月20日時点): 76試合 打率.205 0本塁打 7打点 9盗塁
- 通算成績: 819試合 打率.250 17本塁打 162打点 145盗塁
小深田はプロ入りから6年連続で100試合以上に出場し、高い耐久性とスピードを示してきました。通算145盗塁が示す通り、高い盗塁技術と走塁センスを備えています。守備面でも二塁・遊撃・三塁を高いレベルでこなすユーティリティ性を誇ります。ただ打撃成績は年々落ちており、今期は100試合出場にも届いていない状況になっています。
【FA宣言時の需要予測】
年間20〜30盗塁が見込める走力と複数ポジションを守れる守備力は、接戦を制するための切り札としては高い評価を集める可能性はあります。ただ近年の成績からすると、人的補償を覚悟してまで手を挙げる球団があるのかどうか・・・。まだ30歳と老け込む年齢ではなく、新天地で息を吹き返す可能性もあり、本人にとっては移籍した方が良さそうですが、その方法は今年のFAではないかもしれません。
3. 小島 和哉(千葉ロッテマリーンズ)
【成績・キャリア分析】
早稲田大から2018年ドラフト3位で入団した小島和哉投手は、178cm・85kgの先発左腕です。
- 2024年成績: 25登板 12勝10敗 防御率3.58 163.1投球回 132奪三振(5完投1完封)
- 2025年成績: 24登板 8勝10敗 防御率3.72 145.0投球回 92奪三振
- 2026年成績(9月20日時点): 18登板 5勝9敗 防御率3.83 103.1投球回 82奪三振(1完投)
- 通算成績: 170登板 58勝63敗 防御率3.63 1027投球回 729奪三振(9完投3完封)
小島は6年連続で一軍登録145日のフル登録を果たした鉄腕先発左腕です。通算1027投球回を記録し、今年はやや少ないものの毎年140〜160イニング以上を消化する抜群の耐久力と安定性を備えています。2024年には12勝を挙げるなど、ローテーションの柱としてチームを支えてきました。
【FA宣言時の需要予測】
「計算できる先発左腕」は12球団共通の最重要補強ポイントです。30歳という年齢、通算1000イニング超えの実績、故障離脱の少なさは先発ローテが足らない球団からすると非常に需要がありそうです。今年FA権を取得した広島の床田も先発左腕で安定してイニングを稼げるという点でタイプ的には近いですが、比較するとやや床田の方が評価は高そうです。
4. 田嶋 大樹(オリックス・バファローズ)
【成績・キャリア分析】
JR東日本から2017年ドラフト1位で入団した田嶋大樹投手は、182cm・82kgの左投左打の投手です。
- 2024年成績: 21登板 6勝8敗 防御率3.68 117.1投球回 87奪三振
- 2025年成績: 18登板 7勝7敗 防御率3.13 106.1投球回 77奪三振(2完投2完封)
- 2026年成績(9月20日時点): 18登板 2勝5敗 防御率5.89 62.2投球回 44奪三振
- 通算成績: 156登板 51勝48敗 防御率3.62 877投球回 697奪三振(4完投4完封)
田嶋は通算51勝、防御率3.62を記録している経験豊富な先発左腕です。2022年に防御率2.66、2025年にも防御率3.13を記録するなど、調子の波をコントロールして試合を作る能力に長けています。
【FA宣言時の需要予測】
2026年シーズンは防御率5.89と苦戦していることがどう響くか。同じ先発左腕で今年FA権を取得した床田、小島と比べると、規定投球回到達回数も少なく、少し評価が落ちそうです。30歳という年齢ではありますが、ここもやはりBランクというのがネックになりそうです。
5. 藤嶋 健人(中日ドラゴンズ)
【成績・キャリア分析】
東邦高から2016年ドラフト5位で入団した藤嶋健人投手は、右投右打の救援投手です。
- 2024年成績: 50登板 3勝3敗 17HP 防御率2.20 49.0投球回 46奪三振
- 2025年成績: 60登板 1勝4敗1セーブ 24HP 防御率3.25 52.2投球回 34奪三振
- 2026年成績(9月20日時点): 45登板 3勝2敗 10HP 防御率3.86 39.2投球回 24奪三振
- 通算成績: 386登板 15勝14敗6セーブ 102HP 防御率2.64 419.1投球回 327奪三振
藤嶋は2022年から2025年まで4年連続で50試合以上に登板した中日の鉄腕セットアッパーです。通算386試合に登板して102ホールドポイント、通算防御率2.64という抜群の安定感を誇り、タフな場面での救援でチームに貢献してきました。
【FA宣言時の需要予測】
28歳という若さで通算380試合以上の登板実績を持ち、中継ぎとして結果を出し続けている藤嶋の価値は非常に高いと言えます。救援陣の強化・再構築は多くの球団にとって喫緊の課題であり、Bランク補償を支払ってでも即戦力セットアッパーとして獲得を目指す球団が現れる可能性は十分にあります。ネックなのは今年の成績が少し悪いことでしょう。というよりFA取得の年はどの選手も成績落としがちですね。これが衰えとみなされるとFA宣言しても需要は下がりそうです。
まとめ:2026年BランクFA市場の総括
2026年オフにBランクで国内FA権を取得した5選手(坂倉将吾、小深田大翔、小島和哉、田嶋大樹、藤嶋健人)は、いずれも20代後半から30歳という脂の乗った年齢であり、それぞれのポジションで確固たる実績を残してきました。ただ総じて今年や近年に成績を落としていて、やや評価が下がった状態でFA取得後の初ストーブリーグを迎えてしまうという印象が強いです。
そしてやはりCランクであれば・・・と思ってしまう選手が多いです。Bランクの補償はもう少し軽めにしても良いのでは?
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